今回は、古生物分野の先カンブリア時代の要点について書いていきます。共通テストや国公立二次試験、定期テストなどに対応できるような内容になっております。
・先カンブリア時代について
先カンブリア時代は、約46億~約5.41億年前の地質時代である。これは地球史の90%程を占めるほどの期間である。古い方から、冥王代・太古代(始生代)・原生代となっている。これから、各代の詳しい説明をしていきます。赤文字は必ず覚えておいてください。
【冥王代】
約46億年~約40億年前
・地球の形成
直径約10㎞程の微惑星が衝突を繰り返し、原始地球が誕生した。
・原始大気
微惑星から放出された水蒸気や二酸化炭素からなる原始的な大気。
・マグマオーシャン
衝突によって生じた熱が、原始大気の温室効果気体によって吸収され、原始地球の表面温度は約1500℃を超えた。これによって地表の岩石が溶融して形成されたマグマの海。
この際、高密度の鉄は地球の中心に沈み、岩石成分はそれよりも外側に留まった。これにより、核とマントルという層状構造が形成された。
【太古代】
約40億年~約25億年前
・最古の岩石:約40億年前の変成岩(アカスタ片麻岩)
・原始海洋
約38億年前に形成された初期の海洋。大気中の水蒸気が雨となって降り形成された。
礫岩や枕状溶岩が発見されている。礫岩は侵食作用や運搬作用により形成されるもので、枕状溶岩は水中に溶岩が噴出することで形成される。これは、海洋があった証拠である
・生命の誕生
約35億年前の地層に、生物の活動痕跡がある。これは微生物とよく似ている形態である。
・光合成生物の出現
シアノバクテリア・・・約27億年前に出現した光合成を行う原核生物。
これにより、酸素濃度が増加していく。
ストロマトライト・・・海中の炭酸カルシウムがシアノバクテリアによって固定されたもの。
・太古代までにはプレート運動が始まっていたとされている。
【原生代】
約25億年~約5億4100万年前
・縞状鉄鉱層
約25億~約20億年前に形成された酸化鉄層。これは海洋中の鉄イオンとシアノバクテリアによって形成された酸素が結合して形成された。
このように、シアノバクテリアによって形成された酸素が海洋中の鉄イオンと結合したため、すぐに大気中に酸素が供給されることはなかった。
・全球凍結(スノーボールアース仮説)
約23億~22億年前、約7.5億~約6億年前に地表を氷河に覆われた現象。赤道周辺まで氷河が覆われていた。
なぜ赤道まで氷河で覆われていたのか分かったのかというと、ドロップストーンが深く関係している。ドロップストーンとは、大陸に形成された氷河が移動する際に削り取った礫が、沖合で海底に向けて落下した結果形成される氷河堆積物である。
・真核生物の出現
約21億年前に出現した。
・多細胞生物の出現
約15億年前に出現した。
約5.8億円の地層から発見された大型の多細胞生物群。硬組織を持たない生物で、カルニオディスクスやディッキンソニア、キンベレラといった生物たちである。